『豊田直巳・戦火の子どもたち写真展を広げる会』呼びかけ文
私たちの友人、豊田直巳は1983年に初めてパレスチナ難民キャンプを訪れました。そこで出会った人々から「この現状を日本の人々に、世界に伝えてほしい」と言われたことを契機に、彼はフォトジャーナリストへの道を歩みはじめました。
以来、フィールドはレバノン、パレスチナからアジア、アフリカ、旧ユーゴなどへと広がり、イラク戦争においては開戦前から、戦時下、そして占領の現在へと繋がる一連の取材も行ってきました。
しかしパレスチナ難民キャンプでの「原体験」とも言える、戦争の被害者との出会いの中から写真撮影させてもらうという彼のスタイルは変わりません。
紛争地、戦争下で出会った人々の暮らしを写した写真を日本の人々に見てもらうことで、「戦争の現実を伝えてほしい」と被写体となり、取材に協力してくれた人々の願いに、豊田は応えようとしてきました。
そのことによって、少しでも戦争の惨禍を減らせればとの豊田自身の願いは、何よりも写真に写る子どもたちの表情に、よく表れていると思います。
白血病になった子どもの耐えがたい眼差し、母親に抱きしめられた傷ついた子ども、そして戦火に生きる子どもたちの笑顔など、見る側の心を鋭く捉えます。それらは豊田が1枚1枚の写真に込めた希望と、かけがえのない未来へのメッセージ。表現の魅力に満ちた豊田の芸術性が、確かな想いを伝えます。
そこで、私たちは豊田直巳が世界の戦場で撮影した子どもたちの写真を広めることで、戦争の現実とはどのようなものであり、そこで人々は何を願っているのか。そして平和という希望のありかはどこにあるのかを、戦争の一番の被害者である子どもたちの姿から感じ取ってもらう場として、豊田直巳・写真展の普及に努めたいと考えました。
今の日本でこそ、豊田直巳の写真はより大ぜいの人々に見て、感じてもらいたいメッセージです。
ここに大ぜいの方々の参加と協力をお願いするものです。
『豊田直巳・戦火の子どもたち写真展を広げる会』設立準備会
共同事務局長 笠松朗(自治労埼玉県本部)
白井和宏(生活クラブ・スピリッツ㈱)
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